職場

パワハラの記録の残し方|日時・場所・出来事・影響を分けて書く

FactSort Lab.2026年3月16日2026年9月29日改稿

相談窓口で聞かれること

会社の相談窓口で被害を説明したとき、担当者から「指導の一環ということはないですか」と聞かれる例があります。質問の意図は窓口によって異なります。いつ、どこで、何があったかが記録に残っていれば、面談ではその記録に沿って事実関係を確認できます。

会社の窓口、弁護士、労働基準監督署などで体験を口頭で説明するだけでは、担当者が状況を把握しにくい場合があります。日付や媒体の分かる記録があれば、確認する点が絞られます。どの手続に進むかは、相談先が個別に判断します。

記録の項目

記録は、日時、場所・媒体、出来事、影響の4項目に分けて書く方法があります。どこまで書くか、感情や推測を入れるかは、この4項目を基準にすると分けやすくなります。

日時いつ起きたか。分からない場合は「不明」と書きます。推定であれば、その根拠を一言添えます。
場所・媒体会議室、メール、Slack、廊下、オンライン会議など、どこで起きたか。媒体の種類も書きます。
出来事何が起きたか。観察できた事実を「〜された」「〜と言われた」と書き、推測や解釈は含めません。
影響体や生活にどのような影響が出たか。診断書、欠勤、睡眠の変化、服薬の開始など、確認できることを書きます。

空欄の項目があっても、記録としては残せます。分からない項目は「不明」と書き、分かった時点で書き足します。

相手の意図と書き手の受け止め

相手が何を意図していたかは、記録からは直接分かりません。書き手の受け止めを出来事と分けて書くと、後で読む人が、実際にあった出来事と書き手の受け止めを区別できます。

出来事の欄には「2023年11月2日、プロジェクト定例会議の招待メールが自分にだけ届いていなかった(受信トレイのスクリーンショットを保存)」のように確認できる事実を書き、「孤立させられていると感じた」といった受け止めは、別の文か別の欄に書きます。

記録に使える資料の例

整理の道具で整理する場合

整理の道具では、次の順に入力します。

  1. 記憶と手元の記録を書き出す。日記、メモ、LINEの写しなどを、いつ、誰から、何をされたか、どのような影響があったかの順に書き出します。感情の混じった文章も入力できます。
  2. 手元にある記録を一覧にする。録音、メール、日報、スクリーンショット、診断書などを「名称・日付・内容の要約」で一覧にします。ファイルはアップロードせず、文章で入力します。
  3. 事実関係整理書と時系列一覧表の案を作る。入力した内容から、整理の道具が事実関係整理書と時系列一覧表の案を作ります。出力は元の記録と照らして確認し、誤りや抜けを直します。

出力は次のようになります。

事実関係整理書(架空の例・抜粋)

第1 事案の概要

申告者が、直属の上司による叱責・情報の遮断・孤立があったとして記録している。2023年10月以降に始まり、当初は月1〜2回程度だったが、11月以降は週に複数回となった。2024年1月に申告者が心療内科を受診し、抑うつ状態の診断を受けた。

第2 時系列・記録一覧(抜粋)

11/02孤立定例会議の招待メールが申告者にのみ送られていない。スクリーンショット保存済み。[SS]
11/15叱責全体会議で「こんな仕事もできないのか」と発言。他の部員3名が在席。[日記]
12/08孤立部内共有フォルダの閲覧権限が申告者のみ削除された。ITログで確認可能。[ログ]
01/14影響心療内科を受診。抑うつ状態の診断。[診断書]

実際の出力は、入力した内容によって異なります。AIによる整理では、書いていない内容が足されたり、書いた内容が落ちたりすることがあります。

相談先の種類

相談先には、会社の相談窓口、弁護士、労働基準監督署などがあります。

この記事は一般的な情報の紹介であり、個別の事案についての法律上の助言ではありません。