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モラハラの記録の残し方|発言・行動の制限・体調を日付順に残す

FactSort Lab.2026年3月20日2026年9月29日改稿

身体的な暴力がない場合の記録

身体的な暴力がない場合でも、発言の内容と日時、同じ発言が繰り返された回数、行動を制限された出来事、体調の変化などは記録に残せます。

言葉による攻撃には、けがの写真や診断書のように一見して分かる資料が少なく、その時点で書き留めていなければ後から説明しにくくなります。「言った」「言わない」の対立になりやすいのも、このためです。記録があれば、相談を受ける側は、いつ頃から何がどの程度起きているかを把握できます。どの手続や支援を使えるかは、相談先が個別に判断します。

相談先が必要とする情報

警察、弁護士、配偶者暴力相談支援センターなどで「言葉で傷つけられた」とだけ説明すると、状況が伝わりにくい場合があります。「2月3日午後10時に『お前は役立たずだ』と言われた。翌日も同じ発言があり、今月は計14回記録している」のように日付と発言が分かる説明であれば、相談を受ける側は経過を把握できます。

過去の発言や出来事をめぐる食い違い

過去にあったことを相手が否定すると、当事者の記憶どうしの食い違いになり、話し合いが進まなくなることがあります。このような状況を指して、ガスライティングという言葉が使われることもあります。

その日のうちに書いたメモ、LINEやメールの履歴、写真、通話の記録があれば、後から日付を確認できます。「昨日、夕食を作った」という出来事について相手が「何もしていない」と言った場合でも、夕食の写真、時刻が分かる画面、その後のやり取りが残っていれば、発言と記録が食い違っている点を相談先に示せます。

食い違いが1回だけであれば、記憶違いの可能性もあります。複数回にわたって記録されていれば、どの点で食い違っているかを具体的に説明できます。

記録する項目

日付とともに、頻度、行動の制限、体調を記録する方法があります。

頻度

「いつも怒られる」とまとめるのではなく、日付と発言をそのまま書きます。「3/5(水)夜、『お前は頭がおかしい』と言われた」のように1件ずつ書き足すと、後で回数を数えられます。

行動の制限

実家への帰省、友人との連絡、仕事について言われたことや起きた出来事を、できるだけ言葉どおりに書きます。「『あいつらとつるむなら離婚だ』と言われた(3/7午後)」のように、日付と場面も添えます。

体調

動悸、手の震え、睡眠、食欲などの変化を日付とともに書きます。心療内科や精神科を受診した場合は、診断書、通院記録、処方箋の控えも記録になります。原因の判断は医師が行うもので、記録には症状と日付だけを書く方法があります。

記録の有無と相談の進み方

記録がまとまっていない場合、最初の相談では、いつ頃から何があったかの説明に多くの時間を使うことになります。記録が日付順にまとまっていれば、個別の状況についての話から始められます。相談にかかる時間や費用は、相談先によって異なります。

事実関係整理書の出力例

書き出したメモを整理の道具に入力し、事実関係整理書と時系列一覧表を作った場合の例です。

事実関係整理書・時系列一覧表(架空の例・抜粋)

第1 事案の概要

申告者(妻、30代)が、パートナー(夫、40代)による継続的な人格否定の発言と行動の制限があったとして記録している。2025年9月頃から月1〜2回程度の発言が始まり、2025年12月以降は週に複数回となった。並行して、友人や実家との連絡を制限される出来事が記録されている。2026年2月3日に心療内科を受診し、適応障害の診断を受けた。記録期間中の人格否定の発言は、記録の空白期間を除いて31回記録されている。

第2 分類別集計

頻度(人格否定・否定の発言):31件 / 行動の制限(連絡・外出):8件 / 体調・受診記録:4件 / 金銭の管理:3件

第3 時系列記録(抜粋)

2025/09/14頻度夕食後、「お前の料理はいつも同じでつまらない」「こんなものしか作れないのか」と発言。子どもの就寝後、約20分続く。[手帳]
2025/10/02頻度「先週そんな約束をした覚えはない。お前の記憶がおかしい」と発言。申告者は約束の内容をLINEで確認できたが、相手は「LINEの読み方が違う」と主張。[LINE履歴]
2025/11/15制限高校時代の友人Aとの食事の約束について「あいつらと会うなら離婚だ」と発言。申告者は約束を取り消した。翌日Aへ「急用ができた」と連絡した記録あり。[LINE]
2026/01/22体調動悸・手の震えが出始める。夜間の中途覚醒が続き、この時点で2週間以上、睡眠が分断されている。[手帳]
2026/02/03体調心療内科を受診。「適応障害(ICD-10: F43.2)」の診断。医師から、家庭でのストレスが影響している可能性について説明を受けた(診断書には記載なし)。抗不安薬・睡眠薬が処方された。[診断書]

第4 記録一覧

手帳(2025/9〜現在、31件) / LINE履歴のスクリーンショット(11件) / 音声メモ(4件、合計約47分) / 適応障害の診断書(2026/02/03) / 通院記録(2026/02〜、月2回) / 処方箋の控え(4通)

実際の出力は、入力した内容によって異なります。AIによる整理では、書いていない内容が足されたり、書いた内容が落ちたりすることがあります。

整理の道具で整理する場合

整理の道具では、次の順に入力します。

  1. 記憶と手元の記録を書き出す。日記、メモ、LINEの写しなどから、いつ、誰に、何をされたか、どのような影響があったかを書き出します。あいまいな記憶も書き出し、日付を確認できる記録と後で突き合わせます。
  2. 手元にある記録を一覧にする。録音、メール、LINEのスクリーンショット、診断書、通院記録、処方箋の控えなどを「名称・日付・内容の要約」で一覧にします。ファイルはアップロードせず、文章で入力します。
  3. 事実関係整理書と時系列一覧表の案を作る。入力した内容から、整理の道具が事実関係整理書と時系列一覧表の案を作ります。出力は元の記録と照らして確認し、誤りや抜けを直します。

相談先の種類

相談先には、警察、弁護士、配偶者暴力相談支援センターなどがあります。

この記事は一般的な情報の紹介であり、個別の事案についての法律上の助言ではありません。